改正による介護士への影響

2018年度の介護保険法の改正では、福祉の現場で働く介護士に様々な影響が考えられます。

まず今回の改正では、利用者への自立支援や重度化防止につながるサービスについて、介護報酬の増額あるいは加算サービス対象として明確化しています。そして介護事業者に対しては、要介護および要支援状態の改善率に関する評価が、重視されることになりました。具体的には、リハビリテーションや通所介護において、心身機能の維持に関するアウトカム評価を導入します。同じくリハビリ分野においては、医師や看護師あるいは理学療法士等との連携も、介護報酬の評価対象となっています。現場で働く介護士にとっては、医療分野の関係者との連携や、リハビリ分野の知識などが、ますます求められることが予想されます。

さらに今回の改正では、訪問介護で生活援助サービスを提供する者の資格要件を緩和し、ホームヘルパーの資格者以外でも、訪問介護に従事することが可能になりました。これは現場レベルで不足している、生活援助を担う人材の拡大を目的としています。同じく、介護現場における人材不足の深刻化に対応すべく、介護ロボットの導入も介護報酬の加算対象になりました。人材の有効活用や機能分化を進めると同時に、ロボット技術等を用いることで、現場の人材不足や負担の軽減を目指すことが、今回の改正ではハッキリと示されています。

これから介護士として働きたい方には、職場へ入りやすい環境が整いつつあると言えます。その一方で、これからの介護現場では、機械化に対応するための知識や経験が、より一層必要になることが考えられるでしょう。