利用者側のメリットとは?

2000年に始まった介護保険法は3年に1度見直しが行われています。最近の改正は2017年であり、翌2018年に施行されています。この改正では団塊世代が75歳以上となって、医療費や介護費が急増することが予想される2025年問題に備えて、制度を整える意図がありました。利用者側のメリットになる点といえば、福祉用具貸与価格が見直されたことです。

これまでの福祉用具の貸し出しでは、同じ用具であっても業者ごとにレンタル料金が異なっていました。何故なら業者によって、商品の仕入値やメンテナンス費用が異なっていたからです。また事業者間の競争によって適正価格を維持してもらう目的で、福祉用具のレンタル費用は事業者が決めても良いことも、価格に差を生じさせていました。しかしこれでは、著しく高額なレンタル費用を設定する業者の存在が問題視されたのです。利用者が福祉用具のレンタル費用の相場を知らないことをいいことに、値段を釣り上げてしまう業者が現れたからです。

法改正を受けて、厚生労働省が商品ごとに全国平均のレンタル価格を公表することになりました。そしてレンタル業者は福祉用具を貸与する際に、全国平均のレンタル価格と業者の設定価格の両方を提示するように義務付けられました。また、レンタル価格の上限価格も設定されています。全国平均のレンタル価格は、2019年以降1年に1回の割合で見直される予定です。この法改正によって、利用者は福祉用具のレンタル料金の相場を知れるというメリットが生じたのです。